いのうえさんの!

いのうえさんの日常のあれこれをお伝えします。

初めてのルームメイトはブラジル人のおじさんだった

 

この前の記事のつづき。

www.inoue3no.net

私が通う予定の語学学校はニューヨーク郊外にある大学の校舎の中にありました。

留学を決める際にホームステイか寮を選択できるのですが、私は食べ物の好き嫌いが多いという理由で寮に住むことにしたのです。寮は大学の敷地内にあり、寮に住む学生は学校の食堂で食堂が空いている時間なら好きな時にごはんを食べられるんです。最高。

ただ、寮の部屋は2人部屋。ルームメイトが居るのです。しかも、基本的には同じ国の生徒とは同じ部屋にはならず、異国の生徒さんとルームシェアなんです。普通のルームシェアよりドキドキです。てかドキドキなんてもんじゃないですよ。

すっからけっちー!!!

ということで、なんやかんやで学校の敷地内にある寮に到着。

 

不安だらけのスタート

寮に着き、ドライバーのおじちゃんとお別れ。無言の車内での気まずさなんて忘れて固い握手を交わしました。いま振り返ると、Good Luck!!と力強く私に言うおじちゃんの言葉は、これから待ち受けている数多くの試練に私が立ち向かって行くことをまるで全て知っていたかのようでした。

寮に入るとすぐに大学の先生っぽいお姉さんがお出迎え。名前を伝えると私の名前が書かれた書類を手に部屋まで案内してくれました。

もう部屋にはルームメイトはいるのだろうか?優しい人だといいなあ。どこの国の人かなあ。

なんて考えていると部屋の前に到着。

お姉さんに鍵の開け方を教えてもらい、オープンザドア!!!

開けた扉の先には無人の部屋が広がっていました。

 

ホッ

 

しかし、そこにはスーツケースが1つ置いてあったのです。

英語でなんか言ってるお姉さん。

私の雰囲気脳内翻訳機によると、「さっきまでいたんだけど出かけちゃったのかなー」と言っているようでした。

ニアミス!!

とりあえず自分の荷物を部屋に置き、お姉さんに寮内の共同トイレやシャワー、ランドリーなどを回る探検ツアーに出発。

雰囲気脳内翻訳で言っていることをおおよそ理解したつもりになってとりあえずオッケーと言っておくザ・ジャパニーズスタイルで無事ツアーも終了。

最後に翌日からの学校のスケジュールなどを渡されお姉さんとお別れ。

「大丈夫?」的なことを聞かれたけど満面の笑みで「オッケー!サンキュー!」と返す私を「全然オッケーじゃないなコイツ」っていう目で見るお姉さんの顔を今でも忘れられないです。

ロサンゼルスからのフライトからここまで緊張しっぱなしだった私はとりあえず自分のベッドにダイブ。

気がつくと寝てしまっていました…。

 

ルームメイトと初対面

ベッドで寝落ちてしまった私。

2,3時間ほど経った頃でしょうか。ドアの鍵が開く音で飛び起きました。

ゆっくりと開くドア。そして、恐る恐るこちらを覗き込む外国人男性。

今でもその光景をはっきり覚えています。

半袖半ズボン。お世辞にもお洒落とは言えない、まるでサザエさんに出てくる少年たちの様な格好をした褐色の男性がそこにはいました。

私と目が合うとパッと笑顔に変わり「ハーイ!」と声を掛けてきました。

「ハーイ!ナイストゥーミーチュー!」

私も負けじと笑顔で返し、お互い握手を交わしました。

ここで幼馴染のてっちゃん*1仕込みの自己紹介を発動!

しかし、名前の時点でめっちゃ聞き返される外国人には日本人の名前難しいあるあるが発動したので、紙にお互いの名前をカキカキしての自己紹介に作戦変更!ジーニアス!

そして、彼の名前はアイバン。そしてブラジル人ということがわかりました。

アイバン!ブラジル人!

とりあえずこれだけ分かればオッケー!

ついでにファーストインプレッションはいい人そう!よかった!

と、ひとまず安心。

そして、出来損ないの英語脳をフル活用して必死にコミュニケーションを取ろうと試みました。

なんとか会話できてるっぽくて、そんな現実に驚き、喜びを感じると同時に一つの違和感が。

見た目がTHE外国人のアイバン。こっちの勝手なイメージとしては、もちろん英語も堪能でいっぱい英語で話しかけてくるんだろうな、なんて想像してたんだけど、彼の英語はとてもたどたどしい。

てか俺と同レベルじゃね?!

そんなことを思っているとケータイを取り出すアイバン。

何かを打ち込み画面を私に見せてきました。

そこには日本語で「あなたは夜ご飯に食べました?」

 

Google翻訳!!!!!

 

コイツいきなり奥の手出してきたwwwww

衝撃でした。しかも母国語→英語じゃなくて母国語→日本語って!

なんだかアホらしくなって吹き出して大笑いしまいました。

そんな私を見て全てを察したかのようにアイバンは「イージー!イージー!」「グーグルトランスレート!グーッド!」と大笑いながら言ってました笑

そんなこんなでGoogle翻訳に助けれられ、私たちは出会って5分ですっかり打ち解けてしまったのでした。

 

初めて外国人の友達ができた日

お腹を空かせた私たちは一緒に食堂に行ってみることに。

食堂にはハンバーガーやピザ、サラダをはじめ、お菓子やデザートまでなんでも揃っていました。ほとんどのものが実際にそこで調理されており、注文するとお皿に取って渡してくれるというシステムでした。

私たちは揃ってピザを注文することにしましたが、スーパー英語ビギナーの私たちは「May I have...」とか「Can I get...」といった当たり前の注文フレーズすら言えるわけもなく、欲しいピザを指差し「ワン!プリーズ!」としか言えませんでした。

しかし、2人ともサンキューの笑顔は完璧でした。

 

ピザを食べながら再びスーパービギナーイングリッシュ×Google翻訳でコミュニケーションを再開。

まずは相手のプロフィールを深掘り。

アイバンのプロフィールをまとめるとこんな感じ。

  • アイバン(31歳/ブラジル人/独身)
  • サッカーとサンバとボサノバは嫌い
  • 母国語はポルトガル語
  • スペイン語もペラペラ
  • 甥っ子がかわいい
  • 会社の休暇で1ヶ月だけの滞在
  • 語学学校に来たのは1ヶ月ホテルに泊まるより安いから
  • 観光メインで英語の勉強はついで

大分ツッコミ所が多い。てか全部。

まず驚いたのが31歳という年齢。31のおっさんが磯野カツオみたいな格好すな!んでサッカーとサンバとボサノバ嫌いなんかえ!世界的なブラジルのイメージをちゃぶ台返しかよ!そんで既に2ヶ国語喋れるのかよ!ふざけんな!なにがだ!羨ましいんだ!すげー!甥っ子かわいいってなんだよ!まじでかわいいんだよ!あほか!んでめちゃくちゃ旅行気分じゃねえか!俺とのモチベーションの差がえらい違うぞ!おい!なんやこいつ!おもろいな!好き!

 

気がつくと私はすっかりアイバンに心を許し、すっかり打ち解けることができたのです。

 

たくさん笑いお腹も心も満たされた私たちは部屋に戻り寝支度を。

するとアイバンがこんなことを聞いてきました。

「Good nightって日本語でなんていうの?」

私「おやすみだよ」

「オ・ヤ・ス・ミ」

私「ポルトガル語は?」

「Boa noiteだよ」

私「ぼあのいちー」

お互いにそれぞれの言葉を教えあってまた笑って。平和かよ。うん、平和だった。

 

ベッドに入り電気を消すと、部屋の反対側のベッドからアイバン声が

 

ア「オヤスミ!」

 

私「ボアノイチー!」

 

なんだかやっていけそうかもという希望を胸に、こうして留学初日は終わったのでした。

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